3月は外部と内部の工事が着々と進んでいきました。
外観
細かい工事は残っていますが、全容がはっきりしてきました。
居住スペース
ワンルームとなっていて、
中央手前がシンク付ダイニングテーブル、
これを中心に左手前が調理スペースで、
右奥がフリースペース、
右奥のさらに奥と左奥に収納があり、
テーブルの手前で、ここに写っていない部分がリビングスペースで、
右側の大きな窓から日が差し込むといった構成となっています。
アトリエ棟 作業スペース
ここもだいぶ出来てきました。
あと少し、細かいところを造り込んで、塗装をするだけです。
自分で設計して言うのもなんですが、
私もこんな仕事部屋がほしいなと、うらやましくなりました。
前面道路から見る近隣 (左手前の白い建物が建築敷地)
先日、このブログを見てくれている友人から、
「山の中に家を建ててるの?」
と言われました。
そう言われてブログの写真を見返してみると、
確かにそんなように見えるかもしれないなと思いましたが、
実際には上の写真の通り、
周りにはそこそこ家が立ち並んでいます。
ただ敷地の北西方向だけは山しか見えないため、
その方向に開いた、
家の中からはなるべく自然だけが見えるようにと計画したため、
写真を撮ると山の中の家のようになっています。
無事にイメージ通りの空間が出来上がりそうで、完成が楽しみです。
2月前半
シート防水の屋根が出来、外壁の下地が着々と進んでいきました。
道路から見た建物。
手前がアトリエ棟なのですが、
こちら側に窓を必要としないこのヴォリュームが、
住居棟の塀のような役割を担い、
プライバシーを高めています。
住居棟内部。内部も出来るところからどんどん進んでいきました。
住居棟もアトリエ棟と同じで、ワンルームに近い、
四角いシンプルな箱としました。
ポイントは窓、
大きな窓を設けたのですが、上に書いた通り、
アトリエ棟が塀の役割をしているので、
カーテンが下がりっぱなしとならない、
開放的で気持ちの良い居住空間となります。
唯一の2階、予備室。
ゆったりした敷地のため、
当初は平屋が合うかなと考えましたが、
建築主さんの「2階からの眺めも捨てきれない」という言葉で、
一部屋だけ2階にもってくるという方法をとりました。
この窓からの眺めを見れば、
それが正解だったということがよく分かります。
見下ろす桜の木が、もうすぐ春なので楽しみです。
幣串。
この家はスペースを最大限有効活用するために、
多くの部分は天井裏の無い構造となっているのですが、
一部分だけ設けた天井裏に、
上棟式で使用した『幣串』を納めました。
2月後半
ようやく外壁が張られてきました。
素材はガルバリウム鋼板小波板で、色は白。
建築主さんの高い意識もあって、
今回、建物の周辺環境との調和、佇まいについて、
改めて考えさせられました。
この場所で出した結論は、
主張し過ぎることなく、凛として存在すること。
建築主さんの希望や好みも総合的に判断し、
平屋にヴォリュームを抑えた、四角い白い箱を並べたような外観としました。
人によっては奇抜に見えるかもしれませんが、
これから植わる植栽も手伝って、
雰囲気のある佇まいになると考えています。
庭からアトリエ方向。
アトリエから庭。
当初からシンプルな箱状の建物をつくる計画だったので、
設計者としてもっともこだわったのはこの庭でした。
敷地の7割以上が庭となるため、
建物をどう配置し、つまりどう庭を設け、その庭を活かすか。
もう少し工事が進んでから、
もう少しいい写真と共に、
そのあたりのことを書きたいと思います。
1月中旬
上棟後、まずは柱や梁などの骨組みとその接合金物ををしっかり取付けます。
(この日は強風で、かなり寒かったのですが、
淡々と仕事をされる職人さんたちには頭が下がります。)
一般的に、柱や梁を太くすれば丈夫な建物ができると認識されていますが、
(もちろん間違いではありませんが)
地震や台風といった揺れに対しては、
写真にある斜めの材(筋交い)が効いてきます。
筋交いをバランスよく配置することが非常に重要となります。
数日後、住宅瑕疵担保責任保険の保険会社による
軸組み検査も問題なく完了。
1月下旬
壁の下地に透湿防水シート(白色)が貼られ、
壁の中に空気が流れる経路を確保するための胴縁(縦に張られている木)、
窓となるアルミサッシも取り付き始めて来ました。
もう一つ、丈夫な建物とするために重要なのが、
壁の中や屋根裏に空気が流れる経路をしっかり確保すること。
木材は、腐りさえしなければ長持ちしますので、
壁の中や屋根裏に入った湿気を外に排出するために
空気が流れる経路をつくります。
また万が一、経年劣化で壁の中に雨水が浸入するようなことがあったとしても、
この空気の流れる経路(通気層)から雨水が外に排出されるので、
そういった意味でも通気層は重要な役割を果たします。
そんなこんなで少しずつ、内部空間の輪郭が出来てきました。
アトリエ
美術家の建築主さんにとって、
長時間過ごすこととなるアトリエは、
四季の変化がある外部空間も一体に感じられるようにすることで、
意識に変化を与え続けることができるスペースとなるのではないかと考えました。
作業スペース
籠もってスケッチなどをする、書斎のような部屋。
ここも変化のある外部空間との関係を重視して窓を設けています。
次回は住宅部分について、少し書きたいと思います。
柱・梁を組み上げている様子
大安の今日、棟上。
一戸建ての住宅程度の規模であれば、
プレカット工場から運ばれてきた木材を一日で組み上げます。
棟上完了
ここまで工事が無事に進んだことに感謝、
竣工までの加護、建物の永遠堅固を祈願して
上棟式が執り行われました。
一部2階となっている部屋からの眺めが、
想定以上に良さそうで、完成が楽しみです。
1ヶ月ほど前に始まった、
日高の家 新築工事、
工事レポートです。
12月上旬
地盤改良工事 (表層改良工法)
セメント系固化材を混合攪拌しているところ。
これで不同沈下の心配がなくなります。
遣り方 (敷地周辺の木製の柵のようなもの)
建物の位置、高さ、水平を決める作業。れを基準に基礎などがつくられます。
12月中旬
砕石地業
砕石を敷き込み、転圧。
基礎に伝わった上からの力を地盤に伝えるために必要となります。
防湿シート、捨てコンクリート
地盤の湿気が床下に上がってこないようにシートを敷きます。
捨てコンは基礎をつくる基準となる線を引くために打設します。(墨出し)
地鎮祭でいただいた「鎮物」を基礎下に埋設。
12月下旬
鉄筋工事
基礎配筋完了。
住宅瑕疵担保責任保険の保険会社による配筋検査。
問題なく、無事終了。
コンクリート打設。
コンクリート工事完了。
年明けのの吉日に上棟予定。
構造体が出来上がると、空間がイメージしやすくなります。
楽しみです。
今年の春頃から設計を進めてきました
日高の家 (埼玉県日高市)
今日、無事に地鎮祭を迎えることが出来ました。
地鎮祭の様子
私は監理者として、現場を監理していくことになるので、
地鎮祭は気持ちを引き締め直す良い機会となります。
この場所の良いところを最大限活かした
生活空間と
美術家として活動されている建築主さんの
アトリエ空間を
約半年かけてつくっていきます。
このブログで時々レポートしていこうと思っています。